アレルギーの専門家に聞きました

ITEA東京環境アレルギー研究所 所長 白井秀治

ダニは身近な生き物です

ダニはとても小さな生き物で、私たちが暮らす住まいから見つかることがあります。私たちの住まいから見つかる主なダニは、チリダニ科のヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニです。畳、ラグやカーペットなどの敷物、ソファやクッションなどの布製で詰め物があるもの、毛布や布団などの寝具などから多く見つかります。
このダニは、暖かく湿度が保たれた環境で活発になり、繁殖していきます。そのため、一般的には、春から梅雨時期、そして夏にかけて増加し、気温が下がり空気が乾燥する冬に減少する傾向があります。しかし、近年では、気密性の高い住宅構造により冬でも室内は暖かいため、冬期でもダニが減りにくい住まいが増えているように思います。

寝具のダニ対策を

布団のダニ対策は、生きているダニを減らすだけでなく、死骸や糞などの小さなホコリを取り除くことが大切です。布団の上げ下ろしや寝返り等の行為によって、ダニの糞や死骸を含むホコリがお部屋の中に浮遊することが知られています。そのため、お部屋のダニ対策を行う際には、生きているダニを減らすこととともに、死骸や糞を含むダニのホコリを減らすという考えで取り組みます。
布団からダニや糞などのホコリを減らす方法として、布団への掃除機がけや丸洗いといった方法が知られています。これらを繰り返し行うと、ダニや糞、死骸を含んだホコリが減少します。ダニの汚染を低減するためには、これらの管理を継続して行うことが効果的です。しかし、共働きや育児等で家事への時間がとりにくい場合、掃除機がけや丸洗いといった寝具へのダニ対策が、時に負担となることがあり、継続した管理が難しくなることもあります。そのような場合、ダニの通過を防止する寝具を使うことで、ダニ対策への負担を軽減することが期待できます。
近年、ダニが通過しない布団や布団カバーを用いたダニ対策が、日本やアメリカ、ヨーロッパなどで広く普及しています。上げ下ろし時や睡眠中のホコリの減少効果の調査に使われている製品もあり、手軽で効果的なダニ対策として注目されています。 ダニ通過防止タイプの製品では、布団の上げ下ろし時や睡眠中に浮遊するダニの糞を含んだホコリの減少効果が調査されている製品もあります。
ダニ対策というと、お部屋の掃除や空気の浄化という考えは大切なのですが、発生源となる布団から見直すということが、室内のダニ対策として大切なポイントだと思います。

ITEA東京環境アレルギー研究所とは

東京アレルギー環境研究所はITEA株式会社が運営する、環境中のダニ・スギ花粉・ペットアレルゲンの検査・測定や試薬販売を行う研究所です。

ITEA東京環境アレルギー研究所:公式Webサイト
http://www.itea.jp/

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